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13歳からのアート思考(末永幸歩)

2021.11.01

「答えを見つけるのではなく、作り出そう!」

はじめに

アート思考とは:「常識」や「正解」にとらわれず、「自分の内側にある興味」をもとに、「自分の物の見方」で世界を捉え、「自分なりの探究」をし続けること
※アートに詳しくなりたいための本でありません。

「13歳からのアート思考」という本を読んで、僕なりにまとめてみました。

・真面目で自分を追い込んでしまいがちな人
・常識に縛られたくない人
・アートが遠い世界だと思っている人


は、今すぐ読むべき!
正直、この本は、誰にでもおすすめしたい!
プレゼントとしてもおすすめします。

本書を読めば、

・自信を持って自分のアイデアを発信できるようになる
・発信したくなる
・アートが身近になる

このような変化が期待できます。

①「花職人」と「アーティスト」の話


突然ですが、
「完全なたんぽぽ」を思い浮かべてください。

いかがですか?
ほとんどの人が、表紙のような、鮮やかに咲いた花を思い浮かべたのではないでしょうか?
しかし、アーティストとは、このような綺麗な花を咲かせることに興味がありません。
実は、たんぽぽという植物の大半を占めるのは「根っこ」であり、この「根っこ」を伸ばすことに夢中になっている人こそ、真のアーティストなのです。

え?ちょっと意味がわからない。。

もう少し詳しく説明させてください。
著者の末永さんは、アートはたんぽぽおようであると述べており、「アートという植物」を用いて、アート思考を非常にわかりやすく説明しています。

アート思考・たんぽぽ
花」=作品
「興味のタネ」=興味、好奇心、疑問
「探究の根」=地下世界の冒険


「絵を描く」「ものを作る」などはアートのごく一部である「花」にしか焦点を当てていない。どんなに良い作品でも、根が弱ければ、すぐにしおれてしまう。
アートという植物にとって花(作品)は単なる結果でしかないことを知り、根が伸びていくその過程に夢中になっている人はみなアーティストであるということ。

自分の「興味・好奇心・疑問」を皮切りに、「自分のものの見方」で世界を見つめ、好奇心に従って探究を進めることで「自分なりの答え」を生み出すことができれば、誰でもアーティストである。

(本文引用)

一方、花職人とは、「花を咲かせることだけに夢中になっている人」のこと。


花を生み出しているという点では同じに見えますが、本質的には、全く異なります!
根がしっかりしているアーティストは、何度でも「表現の花」を咲かせることができるのです。

②作者の答え×鑑賞者の答え(音楽的な楽しみ方でいいんじゃないの?)

ガンディンスキー・コンポジションⅦ
ワシリー・カンディンスキー「コンポジションⅦ」

「作品はアーティストだけによって作られるものではない。見る人による解釈が作品を新しい世界に広げてくれる」

この捉え方も自分にとっては衝撃でした。
アートの楽しみ方にヒントをくれるだけではなく、何か発信活動をする際の勇気をくれる作品です。

確かに、振り返ってみれば文章だってそう。読み手の想像力が働いてこそ、意味がある。

音楽を聴く時を思い出していただきたい。
それを聴く人の「作品とのやりとり」から生み出される「答え」は、
作者がこの曲に込めた「答え」と同じように価値がある。
作者自信の背景や曲が生まれた背景に向き合っている時だけではなく、
ただ純粋に、作品だけに向き合っている瞬間があるはず。
このように、音楽鑑賞においては、自然と作品とのやりとりをしている。
しかし、美術鑑賞となると、作者の意図や作品の背景を読み取ることだけになってしまいがち。

自分なりの考え方、捉え方でいいんだ!そう思わせてくれる。

何か発信を始めたい人の悩みとして、
「自分にはできるかどうかわからない・そもそも発信できることなんて何もない」
このようなことがあると思います。

そんな方に、そもそも正解なんてないということに気づかせてくれ、一歩を踏み出す勇気ををガンディスキーが与えてくれています。

③20世紀最大の衝撃作品が「男性用便器」!?

デュシャン・便器
「泉」:デュシャン

アート界にもっとも影響を与えた20世紀のアート作品第1位
=デュシャンの「泉」という作品
=なんと、男性用小便器にサインしただけ。
=「表現の花」を極限まで縮小し、反対に「探究の根」を極大化した作品

=>アートを「視覚」の領域から「思考」の領域に完全に移行させた

こんな思考をできるのはすごい!僕は衝撃を受けました。。

花:ただの男性用便器
根っこ:アート=美しいものでなくてもよくないか?

まとめ

「はじめに」でも書かせていただきましたが、アートに詳しくなりたい人のための本ではありません。

アート思考とは、「常識」や「正解」にとらわれず、「自分の内側にある興味」をもとに、「自分の物の見方」で世界を捉え、「自分なりの探究」をし続けることです。

常に移ろう不確かな外部環境に合わせるのではなく、自分の内面と向き合い、自分軸で「答え」を生み出していきましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!